忍(しのぶ・にん・おし・しの・たう)

(しのぶ・にん・おし・しの・たう)

shinobu – nin, oshi, shino, tau


がまんする。じっとこらえる。
むごいことを平気でする。
隠れて行動する。



刃(やいば)には「耐える」という字義があり、これに心を加えた「忍」は耐える心、忍耐をあらわしています。

耐えるとか、むごいことを平気で…とか、これまで「忍」の字にはあまりいい印象を持っていませんでしたが、調べてみるとちょっと違って見えてきました。

孔子の教えに「小不忍則乱大謀(小忍ばざれば則ち大謀を乱る)」という言葉があるそうです。これは、「些細な事を耐えられないようでは本懐を遂げることは出来ない」という意味で、中国の故事にはこのような「忍の精神」を伝える故事がたくさんあるようです。

ex.「韓信の股くぐり」

韓信とは、漢の天下統一に功績のあった名将。
韓信が若い頃、町のごろつきに喧嘩を売られたが、韓信は大志を抱く身であったからごろつきと争うことを避けた。言われるまま彼の股の下をくぐらされるという屈辱をあえて受けたが、その後韓信は大成し、天下統一のために活躍したという故事から。将来に大望のある者は、目の前の小さな侮りを忍ぶべきという戒めである。(故事ことわざ辞典より)



古くからこの字にこめられてきた「忍の精神」は、どちらかというと瑣末な事に動揺しない不動の心、不惑の精神と言ったほうが近いのかもしれません。仏教・儒教思想のストイックさを象徴するような字ですね。