他不是吾(他はわれにあらず)禅語 書道作品


他不是吾

たはこれわれにあらず


独立したいという人からよく相談を受けるのですが、そういう時には「じゃ、とりあえず独立してみますか」と背中を押すことにしています。
いろいろと経験したことを元にアドバイスもできるのですが、たいした経験でもないし、そもそも経験を通して得たことが正解かどうかも私自身まだ答えを探している最中です。おまけに問題に直面している人にならまだしも、まだ独立すらしていない人にいくらアドバイスしても所詮は耳学。自分自身で経験してみないと血にも肉にもなりませんから。

この「他不是吾」とは、曹洞宗の開祖道元禅師が著した「典座教訓」という書物に登場します。炎天下の禅寺で額に汗して働く老人に道元が、「なぜ若い人に任せないのか」と問うと、老人は「他は是吾にあらず」と答えたそうです。そのこころは、「私自身がやらねば私の修行にならない」ということ。
面倒なことから逃げ回っていた若いころには気づきませんでしたが、今となってはずいぶんレベルアップのチャンスを逸してしまったなと私も反省しています。


禅のことば – 003 / 365

毎日一語、趣きのある禅語をえらんで書にしています。
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