主人公(しゅじんこう)禅語 禅書 書道作品


主人公

しゅじんこう


今日もまたコリもせず過去の恥をさらすお話です。

少し前、まだ社長をしていたころのことです。経営者としての先輩にゴハンをごちそうになりながら、「どうしても言うことを聞かない社員に手を焼いてるんです」とボヤいていると、「たまにはお前がその社員の言うことに従ってやったらいいんじゃないの」とアドバイスされたことがありました。予想外の回答にポカンとしているところに先輩いわく、「お前の人生ではお前が主人公だけど、その社員の人生では彼が主人公で、お前は脇役でしかないんだから」と。

そのときには正直ピンときませんでした。今でもちゃんと消化できてるのか甚だ不安ですが、もしかしたら、「みな自分の人生を自分らしく生きようとしているんだから、都合よく立ちまわってくれる脇役のように扱ってはいけない。ちゃんと尊重した上で向き合いなさい。」ということだったのかなと、そんな気がしています。


閑話休題。そのむかし、毎日毎日、自分自身に向かって「おい主人公」と呼びかけ、それに自分で「はい」と返事をするという妙なひとりごとの習慣を持つ瑞巌和尚(ずいがんおしょう)という僧がいらっしゃったそうです。後世の解釈では、「自分自身の主(あるじ)として今日も自分らしく、あるがままのお前か?」ということを自己に問い続けていたのではとのこと。

自分自身あるがままの自分でいること。そして向き合う相手も同じ主人公として尊重し、向き合うこと。理屈で考えるとなかなかむずかしいお題かもしれません。でもあなたの人生、あなたが主人公であること、これだけは間違いない。あなたの主(あるじ)はあなたです。


禅のことば – 041 / 365

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