死ぬ時節には死ぬがよく候 禅語 禅書 書道作品 zen zenwords calligraphy


死ぬ時節には死ぬがよく候

しぬじせつにはしぬがよくそうろう


これは江戸時代の禅僧、良寛和尚の言葉。
1828年、大地震に見舞われた現新潟市三条の知人に宛てて送った書簡の一節です。字面だけをそのまま読むと冷たく突き放した言葉に読めることから、良寛和尚の遺した句の中でも賛否両論あるようで。

ボクもなかなかハラオチしなかったので長らく書けずにいましたが、最近なんとなく和尚の言いたいことがわかるような気がしてきました。
きっと和尚は、「天災や天命、あなたがどうしようもないことは思い悩んでも仕方がない。どうしようもないことは運命のせいにしてしまいなさい。それよりも、あなたが自分自身で何とかできることに一生懸命になればいい。」と、そんなことが言いたかったんじゃないですかね。もしそういう意味であるならば、いかにも禅道らしい言葉だなと。

「開き直る」というとまた言葉が薄っぺらいので誤解を招くかもしれませんが、「何をやっても誰だってダメなときはダメなんだから、そう気負わずに行きなさい」と、何だかそんな風に優しく背中に手を添えてもらっているような。少なくとも、ボクは今この良寛和尚の言葉に救われている気がしています。


地しんは信に大變に候 野僧草庵ハ何事なく親るい中死人もなくめで度存候

 うちつけにしなばしなずてながらへて
 かゝるうきめを見るがはびしさ

しかし災難に逢時節には災難に逢がよく候 死ぬ時節には死ぬがよく候
是ハこれ災難をのがるゝ妙法にて候
かしこ

… 良寛


地震は本当に大変でした。拙僧の草庵は無事で、親類にも死者はなくさいわいでした。

 突然死んでしまったなら、生き残って
 このようなつらい目にあうわびしさもなかったものを

災難にあう時には災難にあうのがよく、死ぬ時には死ぬことがよい。
なんとしてもこれが災難を逃れる妙法なのですから。
かしこ

… 良寛



禅のことば – 360 / 365


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