心外無別法(しんげむべっぽう)禅語 禅書 書道作品


心外無別法

しんげむべっぽう


幼いころ、当時両親が共働きだったためにしばらく母方の祖父母に預けられていた時期がありまして。
もうずいぶん前に亡くなってしまいましたが、その祖母が口ぐせのようにいつも「よかったよかった」と言っていたのを、この書を書きながらふと思い出しました。例えば台風の進路がそれたら「よかったよかった」。仮に直撃したとしても「このくらいで済んでよかったよかった」と。


閑話休題。「心外無別法」とは、宋代の仏教書「正法眼蔵」に登場する禅語です。
幸せだと感じるのも、不幸だと感じるのもすべては自分の心が作り出した現象であって、人によってもたらされるものではないというのがこの語の意味するところ。この言葉を遺した道元禅師は、「だから誤った思いを抱く心を改めて健やかに保ちなさい」と教えます。

まだボクが生まれるずっと前、乳飲み児だった母を連れて満州に疎開し、終戦後にシベリア抑留から開放された祖父を日本で出迎え。そんな時代を生きてきた祖母は、心の平安を保つ方法を誰に教わるでもなく体得していたのかもしれません。

相田みつを氏も言いました。「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」と。
仏教徒ではありませんが、ボクもばあちゃんを真似てみようかなと思った、そんな夏の夜。

自分のココロの闇の部分を覗くような気分で書いたらこうなりました。


禅のことば – 085 / 365

毎日一語、趣きのある禅語をえらんで書にしています。
Facebookで日々公開していますのでもしご興味があれば。