至道無難(しどうぶなん)禅語 禅書 書道作品


至道無難

しどうぶなん


そのむかし、「できない」と「したくない」は違うということを教えてくれた先輩がいました。先輩いわく、「できない、苦手だと思っていることのほとんどはただ単にしたくないと思っているだけで、その理由さえわかればなんてことはない。」と。

20代のころは今以上に苦手なこと、できないことがたくさんありました。ポジティブなリーダーとしてチームを引っ張ること。水商売のお姉さんたちのお店やカラオケに行ってバカ騒ぎをすること。苦手意識のある人とつきあうことなどなど、挙げればキリがありません。どれもこれもつまらないことだし、何なら無理にしなくてもいいことばかり。でもうっかり社長になんかなってしまったもんだからそうもいきませんでした。デザイン制作会社の社長としては接待もなく少人数だったのでまだ回避できましたが、BtoBの営業会社の社長としてはできたほうがいいことばかり。冒頭の先輩のハナシを聞いたのはそんな状況に鬱々としていた頃です。

結局フタを開けてみればなんてことはなく、だいたいはプライドが邪魔をしていて、それを「主義」とか「こだわり」という言葉に置き換えて頑なになっていただけのことでした。


閑話休題。禅書「信心銘」の冒頭で、鑑智禅師は悟りを開くことについてこう書いています。

至道無難
唯嫌揀択
纔無憎愛
洞然明白


悟りに至ることは難しいことではない。ただ、選り好みすることを嫌うだけだ。好き嫌いの選択に執着することがなくなれば、それはすこぶる明白になる。と。

みなさんが苦手なこと、できないと思っていることも、もしかしたら心の執着がブレーキをかけているだけかもしれません。もちろん変わるも変わらないもみなさんの選択です。でも、できることが多いほど仲間も増え、人生の選択肢も増えることは間違いないと思いますよ。


禅のことば – 025 / 365

毎日一語、趣きのある禅語をえらんで書にしています。
Facebookで日々公開していますのでもしご興味があれば。