おつくり(お造り)


おつくり(お造り)
OTSUKURI
sashimi, sliced raw fish



魚を生食する「刺身」の原形が見られるのは鎌倉時代。その頃はまだ醤油がなく、膾としてお酢で食べていたそうです。室町に入ってようやく醤油が作られはじめ、現在のようにわさび醤油をつけて食べるようになったものの、醤油が希少で高価なものだったので一部のやんごとない方々のお口にしか入らないものだったようです。

醤油とともに庶民に「刺身」が広まるのは江戸時代の末期になってから。主に関東を中心に流行しはじめ、徐々に西日本にも広まっていったんだそうです。当時は「刺身屋」という看板の屋台が出るほどの人気だったとか。

ちなみに、切り身が何の魚かわかるように、身のあいだにヒレを刺していたことから「刺身」と呼ばれるようになったというのが名前の由来。でも当時はまだ武家社会。宮中の女房が「身を刺す」ということばを忌み言葉として「お造り、お作り」と隠語で言いはじめ、西日本を中心にこれが広がったというのが「お造り」の由来です。


余談ですが、江戸の頃から関東では赤身が、関西では白身が人気だったとか。
写真は、今年の正月に捌いたぶり。
瀬戸内のお正月の定番はぶりのお造りです。


やまとことば – 233 / 365

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