ももんじ屋

ももんじ屋(ももんじや)
MOMONJIYA
butcher


おおっぴらに肉を食べることをよしとしない風潮があった江戸時代の獣肉店を、隠語で「ももんじ屋」と言ったそうです。
語源の由来は、「百獣」が「ももんじ」と訛ったという説が有力ではあるけど不詳。

仏教思想の影響から、殺生につながる獣肉を食べることがゲテモノ食いだった時代はかなり長く、仏教文化が本格化した奈良時代から西洋文明が入ってくる明治初期までとのことなので、ざっと千年以上ということになりますね。一般の庶民が口にすることはほとんどなかったとか。

当時のももんじ屋で売られていたのは、イノシシ、たぬき、鹿、犬などの獣肉。「薬喰い」と言って滋養強壮のためにごく一部の人が食べていたそうです。ちなみに人気の「ももんじ屋」があったのは、両国、四谷、麹町あたり。イノシシ肉を「牡丹」、鹿肉を「紅葉」などの隠語で呼ぶのは当時の食肉忌避の風潮に由来しているそうです。これまたちなみに、家畜として役に立つ馬、牛、豚、鶏などの肉を食することはかなり珍しかったとか。

写真は、青森県でおいしい豚を育てている仲間のももんじ屋のところで生ハムを仕込んだ時のものです。
日本全国どこでも精肉が買え、焼肉が食べられる今からは想像もできませんが、そんな時代もあったんですね。


大和ことば – 037 / 365

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