道無古今 禅語 禅書 書道作品 zen zenwords calligraphy


道無古今

みちにここんなし


最近、BSプレミアムの「世界入りにくい居酒屋」という番組にドはまりしています。世界各地のディープな居酒屋を訪ねて、酩酊する地元の常連さんたちに向かって延々カメラを回し続けるというユルい番組なんですが、じわじわ来るんですよこれが。観光用じゃないご当地の生の雰囲気が伝わってくるだけじゃなく、見てるとポカポカするんです。登場するお店がまぁ地元の常連さんに愛され過ぎてるお店ばかりで。

洋の東西を問わず、永く常連さんに愛されているそんな居酒屋には共通点があって、それは「何も変わらない」こと。店構えどころか、もうメニューすら定番のものがあるだけでずっと変わっていないというお店ばかり。オーナーが語る言葉にも共通点があって、みな口をそろえて「地元の労働者たちにおなかいっぱいになってもらうためにおいしいものを安く提供しつづけている」って言うんですよね。お店がお客さんを愛してるからお客さんに愛されているという、古今東西不変の方程式がそこにあるわけで。

閑話休題。

「道無古今」とは、「人として守るべき道理に古いも新しいもない」という意味の禅語です。

冒頭のハナシ、ちょっとこの禅語とはズレた話題になっちゃいましたが、「世界入りにくい居酒屋」に登場するお店を見ていると、日本でいうところの「OMOTENASHI」と同じマインドは世界中いたるところにちゃんと息づいていて、しかも地元のお客さんたちによって守られ続けていることがわかります。

絶えず変わり続けている東京、なかでもグルメな街とかいわれている恵比寿に住んで15年になりますが、恵比寿ではこういう「地元に愛される変わらない」お店がここ数年すごい勢いで姿を消していっています。理由は賃料の高騰と後継者の不在。そして何より、お店を支える「地元の人」が恵比寿からどんどん減っていっていることが大きな要因だと思います。

もしかしたら僕たち日本人は、経済効果とか都市計画とかいう大義名分の陰で、「いいものを変えずに守り続ける」ことがいつのまにか苦手になってしまったのかもしれないですね。うまく言えないですが、「経済」は70点だけど「文化」は10点みたいな。

なんだか論点の定まらない感じになってきましたが、ここでまとめられるようなハナシじゃないので、今回はグダグダなまま終わることにします。

居酒屋オーナーのみなさん、時間あれば「世界入りにくい居酒屋」、ぜひ見てみてください。
http://www.nhk.or.jp/nikui/


禅のことば – 170 / 365

毎日一語、趣きのある禅語をえらんで書にしています。
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