人離郷賤 禅 禅語 禅書 書道作品


人離郷賤

ひとはきょうをはなれていやし


ずっと生まれ故郷で成長してきた人と、一度郷里を離れて生活した経験のある人の価値観の違いって面白いなと思います。

前者の人たちはじっくり郷里で培養された揺るぎない安定感が持ち味で、後者の人たちは臨機応変なフットワークの軽さと価値観の多様性が強み。前者の人たちは地元しか知らないというコンプレックスが「アンチ都会」な頑固さになってあらわれ、後者の人たちはそんな地元にもどかしさを感じながら郷里を離れたことを何となく負い目に感じていたり。どちらの人も故郷を思う熱い気持ちは同じなんですけどね。

閑話休題。「人離郷賤」とは、「故郷を離れたものは見下げられる。郷里ほど住みやすいところはない。」という意味の禅語です。仏道の言葉ですから、出家することの覚悟を説いたものでしょうか。

近代以前の世の中では、故郷を後にするというのは大変なことだったんでしょうね。今となっては東京どころか、一回くらい海外に住んどけくらいなことも言われたりするようになりましたが。もしもう一回人生をやり直せるとしたら、故郷を出るか出ないか、どうするだろうなぁ。


禅のことば – 138 / 365

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