強将下無弱兵(きょうしょうのもとにじゃくへいなし)禅語 禅書 書道作品


強将下無弱兵

きょうしょうのもとにじゃくへいなし


リーダーシップには大きく分けて3つのタイプがあります。ひとつは、リーダー本人が意思決定し、作業手順まで細かく部下に指示を出す「専制型」。もうひとつは、意思決定から作業手順まで部下の考えに任せ、トップダウンの指示を出さない「放任型」。最後は、リーダー中心にチームで討議して意思決定し、作業手順については部下に任せる「民主型」。みなさんはどのタイプでしょうか。

チームはリーダーのタイプによってその生産性が変わってくるわけですが、先ほどの3つのタイプに関しては、1939年にアイオワ大学で行われた研究でどのリーダーの組織が生産性が高いか、すでに正解が出されています。

まず「専制型」のリーダーの組織では、短期的には他のタイプの組織よりも仕事量が多く生産性も高いが、長期的にはメンバーが相互に反感や不信感を抱くようになる。次に「放任型」の組織では、まとまりもなく、メンバーの士気や仕事量・質も最も低いものに。そして「民主型」の組織では、短期的には専制型よりも生産性は低いが長期的に見ると高い生産性をあげ、組織の団結力が高くなるそうです。

この結果を踏まえて組織を運営するなら、チーム発足直後のまだ組織として未熟で、短期間で生産性を高めなくてはいけない時期には専制型の、その後安定して長期的な生産性を維持するためには民主型のリーダーシップを、という使い分けができればベストなのかもしれませんね。ちなみに、研究開発やプログラミングなど、メンバーのスキルと専門性が高い分野では放任型が適しているそうです。


閑話休題。「強将下無弱兵」とは、宋の時代の蘇軾という詩人の言葉。強く勇ましい将軍の下に弱い兵士はいない。すなわち上に立つ者の力量が部下の力量を決めていると。

冒頭の研究では、同じメンバーの組織でもチームリーダーのタイプが変わると生産性も変化したそうです。
部下を持つ立場の人間にはなかなか耳の痛いことばですね。社長をしている頃にこの「強将下無弱兵」という言葉に出会っていたら、たぶんボクも具合悪くなってゲロ吐いてたとおもいます。

余談ですが、もっとも部下のモチベーションを高めるリーダーの資質は、「思いやり、優しさ」と「仕事の目標達成に対する厳しさ」の両方を兼ね備えていることだという研究結果もあります。もしみなさんがあるべきリーダー像について悩んでいるなら、「マネジリアル・グリッド」と「PM理論」についても調べてみてください。きっと役に立ちますよ。


禅のことば – 056 / 365

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