蓮の上(はちすのうえ)書道作品


はちすのうえ(蓮の上)
HACHISU NO UE
Abraham’s bosom



仏教において、蓮の葉は現世と天上界を隔てる境界線です。蓮池の泥水を煩悩と苦しみに満ちた現世に、美しい花を咲かせる水上の世界、つまり「蓮の上」を極楽浄土に例えます。せやから仏様はいつも蓮の葉の上、極楽浄土側に鎮座されているわけです。

蓮は、濃い泥水であればあるほど大輪の花を咲かせるとか。
日本人なら「苦労はいずれ報われる、苦労が多ければ多いほどやがて大きな花が咲く」といったたぐいのありがたいお説教を、子供のころから事あるごとに聞かされてきた記憶があるでしょう。

ボクなんかは死後の極楽浄土にはなにも期待していないので、「そりゃ泥が濃いってゆうことは蓮にとっての養分が多いってことやもんね」とか言ってしまうタイプですが、それでも「苦労が多ければ多いほど論」を頭ごなしに完全否定でけへんのは、もしかすると脈々と遺伝子の中に組み込まれてきた日本人気質があるからかもしれません。

苦労を苦労と思わず楽しめるひとは、泥水も蓮の上もずっと楽しくてまるもうけですね。


大和ことば – 347 / 365

毎日一語、趣きのある大和ことばをえらんで書にしています。
Facebookで日々公開していますのでもしご興味があれば。