風顛漢(ふうてんかん)禅語 禅書 書道作品


風顛漢

ふうてんかん


ボクの周囲には、「普通じゃない」と評される人がたくさんいます。破天荒だとか、ぶっ飛んでるだとか、そんなことばで評される人たちが。友人、知人に会社経営者、デザイナー、飲食店経営者、ミュージシャンなどなど、普通の勤め人じゃないカテゴリーの人が多いからかもしれません。そういう友人がまた普通じゃない人を紹介してくれるので、結果類が友を呼びどんどん増え、もはや「普通の人」ってホントにいるのかと思うくらい。

その「普通じゃない」と言われる知人たちを見ていて、ふたつ共通点があることに気づきました。ひとつは一様に「とてもまじめ」だということ。
なかなか大きな会社経営者なのにスーツを着ず、Tシャツ半パンで出勤する友人は「これがいちばんアクティブに仕事ができる服装だから」と言います。タクシーや電車は使わず、都内ならだいたい自転車で移動する彼は、まじめに仕事に最適化した結果Tシャツ半パンというスタイルに落ち着いたそうです。「普通はスーツ着るでしょ」という考え方が「普通」ならば彼は「普通じゃない」人ということになりますが、とてもまじめに仕事の効率を考えた結果、Tシャツ半パンを着て、自転車の移動速度を速めるべくまじめにカラダを鍛えています。

もうひとつは、ワーカホリックということばでは収まらないほど「仕事人間」だということ。
なかなかおおきな芽が出ないミュージシャンの友人は、まわりの人間が音楽をやめて勤め人になっていく中、「まだできることがあるはず」と今でもあきらめずに楽器の練習をし、ライブであちこち忙しそうに走り回っています。寝ている以外の時間は音楽のことばかり。目覚めてはTwitterで音楽のことをつぶやき、曲を作りながら寝落ちするというのが彼の生活。一日18時間ほどをお金になる保証のない仕事に注ぎ込んでいる彼の生活は、「1日の労働時間は8時間で、それ以上は残業代がついてあたりまえ」という考え方が普通ならば「普通じゃない」ということになります。

閑話休題。「風顛漢」とは、常軌からはみ出した男、奔放な行動力にあふれた人物を評することばです。いい意味で使われることもあれば、悪口としてのニュアンスを含めて使われることも。
世間で「普通じゃない」と言われている風顛漢たちを知れば知るほど、まじめで働きもので、考え方にしっかり筋が通っている人ばかり。
ボクから見ると、とても普通な人たちです。


禅のことば – 022 / 365

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