枯木倚寒巌 三冬無暖気 禅語 禅書 書道作品 zen zenwords calligraphy


枯木倚寒巌
三冬無暖気

こぼくかんがんにより、さんとうだんきなし


その意は、「枯れ木は岩に倒れかかり、冬の真っ只中で少しのぬくもりもない」となります。まだ11月だというのに都内でも積雪の可能性ありと報じるニュースを見ながら吸い寄せられるようにこの語を選んで書きましたが、禅語の本来の意味は気候のことではなく、悟りの心境のおハナシです。

なんでも、調べてみると「婆子焼庵(ばすしょうあん)」という公案に登場する逸話が元になっているとか。少しご紹介しますとこんなおハナシです。
長年とある修行僧の身の回りの世話をしていた老婆が、「そろそろあの僧も悟りの境地がひらけたじゃろか」と、娘にその僧を誘惑させてみるというハニートラップを仕掛けます。しかしその僧は、「私は真冬の枯れ木のようなものだ、こんな色仕掛けでは動揺しない」と冒頭の言葉で娘の誘惑を一蹴。するとそれを聞いた老婆は喜ぶどころか「20年も修行したのにその程度のものか」と激怒して僧に与えていた庵を焼き払ってしまったそうです。

この公案を読んでわかる通り、どうやら禅語の意味としては枯れ切った境地を賞賛するものではなく、生気を失ってひとりよがりな心境を揶揄するようなニュアンスがあるようで。まんまと誘惑にのっかってもいけないし、かと言ってこの僧のように一蹴してもいけない。さてみなさんならどうしますか?という。

まぁ、今日はそんなむずかしい話は関係なく、「明日寒いんやろうなぁ…」という枯れた気持ちでなんとなく書きました。


禅のことば – 135 / 365

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