愛心(あいしん)禅語 禅書 書道作品


愛心

あいしん


欲しい物を手に入れたいという欲求は誰にでもあります。そしてそれを手にした時に今度は手放したくないという感情が生まれるのもみな同じでしょう。
対象はモノだったり、ヒトだったり、あるいは立場や名声だったりさまざまですが、何かに強く惹かれ、求める心を禅語では「愛心」と呼びます。

字の組み合わせ的には一見すると愛情を肯定する言葉に思えますが、禅の世界ではこの「愛心」は「執着する心」をあらわし、雑念のひとつとしてこれを捨てよと戒めます。いわく、何かに執着することから嫉妬や妬み、諍いごとが起こるのだと。

ボクも若い頃にくらべ、モノに対する執着心はずいぶんなくなりました。でもそれは不要なモノをいくつか断舎利しただけのことで、執着する心がなくなったわけではありません。愛心を捨てよという禅の教え、なるほどごもっともだと思いますが、欲しいものはやっぱり欲しいし、努力して手に入れたものを手放すのは惜しい。

よく「字が生々しい」という風な評価をいただくことがあるんですが、もしかするとそのあたりの心の持ちようが滲んでいるのかもしれません。
枯れの境地まではまだまだかかりそうです。


禅のことば – 063 / 365

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