あだ(仇)


あだ(仇)
ADA
enemy



敵、仕返しをする相手、また仕返しすることを古くは「あた」と言いました。「あだ」と濁るようになったのは室町以降とのこと。

「恩を仇(あだ)で返す」という耳馴染みのある慣用句がありますが、まったく逆の「仇(あだ)を恩で報いる」という言葉をご存知でしょうか。読んで字のごとく、恨んでいる人に対して、逆に情けをかけるという意味です。それくらいの度量の人間になりたいもんですね。



明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは

仇桜(あだざくら)、漢字では「徒桜」とも書きます。
本来の「仇」の意味からは外れますが、親鸞上人が九歳の時に詠んだと言われている句のご紹介を。

桜、明日もどうせまだ咲いているだろうと安心してるみたいやけど、夜中に嵐が吹いて散ってしまうかもしれませんよ、という意味です。親鸞が九歳の時、仏門に入ろうと青蓮院を訪れるものの、すでに日が暮れていたので「明日出直しておいで」と言われ、この句を詠んだとか。いやぁ背筋が伸びますね。



やまとことば – 313 / 365

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