鯨面文身 | from the Records of Wei 魏志倭人伝より 書道作品 japaneseart japanese calligraphy 書家 田川悟郎 Goroh Tagawa


鯨面文身

from the Records of Wei “Gishi-Wajin-Den”
311/365 : 2018/11/7


男子無大小皆黥面文身(中略)今倭水人好沈沒捕魚蛤文身亦以厭大魚水禽後稍以爲飾
魏志倭人伝より



魏志倭人伝の「入れ墨」に関する一節より。いわく、男子は大人子供の区別なく、みな顔や体に入れ墨をしていて、それは水に潜って魚貝を捕って生活していた倭人にとって大魚などの獰猛な生物を避けるまじないであったが、後には飾りの意味ももつようになった的なことが書かれています。

たとえば、日本の刀剣が武器としての本来の役割を失ってもなお美術品としてその価値を失わないのは、伝統と技術の積み重ねがあって、なおかつ武器としては使用しないという大前提があってのハナシ。
入れ墨が現代社会において同じようにファッションでありカルチャーであり続けるためには、それ相応のクオリティ、そして、それを示威行為のツールとして使わないという最低限のモラルは不可欠なんじゃないかなと。

ボクも小さいながらタトゥーが入っているので、できれば入れ墨が市民権を得るといいなとおもっている部類の人間です。でも、「むかしは日本人もみな入れ墨が入ってたんだから」とか、「海外ではあたりまえだから」とか、そういう稚拙な文脈で議論すべきことではないとも感じています。

抜き身の脇差しをチラつかせながら周囲を威嚇するように入れ墨を使うヒトたちがいるかぎり、市民権を得る日は遠いなと。そんなことをかんがえながら。