裏を見せ 表を見せて 散る紅葉 | 良寛 Ryokan Taigu  書道作品 japaneseart japanese calligraphy 書家 田川悟郎 Goroh Tagawa


裏を見せ 表を見せて 散る紅葉

poem by Ryokan Taigu
290/365 : 2018/10/17


良寛禅師の辞世の句とされるもののなかで、いちばん和尚の人間らしさが滲んでいるのがこの句じゃないかなと。

この句を書き残したのは良寛和尚ではなく、最期を看取った弟子の貞心尼。
病床の和尚が、谷木因(たにぼくいん)という俳人の「裏ちりつ表を散りつ紅葉かな」という句を踏まえて詠んだものを、貞心尼が後に写したんだそうで。

もしかしたら和尚は、弟子の貞心尼にだけそっとホンネを伝えたんじゃないかなぁ。まさか後世にまで残ってしまうとは思いもせずに。


散る桜 残る桜も 散る桜 , some cherry blossoms are falling and the remaining blossoms are going to fall, too


余談ですが、良寛和尚の辞世の句とされているものは、おもなものだけでもこれだけありまして。

散る桜 残る桜も散る桜
うらを見せおもてを見せて散るもみぢ
形見とて何かのこさむ春は花夏ほととぎす秋はもみぢ葉
良寛に辞世あるかと人問はば南無阿弥陀仏と言ふと答へよ
良寛が辞世を何と人問はば死にたくないというたとしてくれ


いずれも詠んだ時期が違う上に、いろんな人が書き残しているのでどれを辞世の句と見るかは見解のわかれるところだそうで。
きっと弟子たちに愛されていたんですね、和尚。

ちなみに、最期の最期、今際の際に遺したコトバは、「阿(あ)」だったというハナシも。